あなたの滑りの目標(ゴール)が今よりもっともっと上にあるとしましょう。
その時、あなたはどうやったら最短で目標に達することが出来るでしょうか?
ここで一番わかって欲しいことは、「ほとんどの場合、目標に達するための練習と今より一歩上手くなるための練習は違う」ということです。
この文章だけ読んでも意味不明だと思うので、図で説明しますね。
赤い丸で書いた地点があなたの現在の実力だとします。この地点がどういうところかというと、基礎がしっかりできているスキーヤーから少し外れて、間違った自己流の滑りをしているスキーヤー。
道を間違えてしまったここから、どういう経路でゴールを目指すのが最短ルートなのかということを考えてみましょう!
いっけん正解に見えるルートを通って上達しようとすると、一歩しか上達できないのです。ダメな例がこちらです。
ゴールに向かって最短距離を通ろうとするのは間違いなんです。
最短ルートでは上達できません。
最初の方に書いたように、これは一歩先に行くための練習です。
このルートを選択すると、一歩しか上達できません。二歩は勧めないんです。
最短距離を通るのではなく、このようなルートを通るのが正解です。
正解の経路は、スタート~ゴールの直線上に一度戻るんです。
この直線ルートに一度戻るような形で横に移動します。それからゴールに向かって真っすぐ進むのです。
図で表すと最短距離ではないですが、実はこれが一番早いんです。
これを具体的に説明するとどうなるかというと、
「基礎練をしっかりやれ」ってことです。
基礎が出来ていないのに、その上を目指そうとしてもダメですよ、って話です。
基礎ができていれば上達は早いです。
もう一度正解の図を見てください。
最初は横に進んでいますよね。これは間違った滑りを、間違いのない滑りに戻すような意味合いです。
修正する部分ですので、これは時間がかかります。今この図で言うと距離は短いですが、横に進むのは結構大変です。スピードはゆっくりです。
それに対して縦に進む部分。
ここはもう基礎が出来上がっている部分です。だからここは早いです。早く進める部分なんです。
トータルで考えると、ゆっくり進む横、早く進む縦、合わせればゴール一番早く着くんです。
今回は抽象的な説明がほとんどだったので、ピンとこない人もいたかもしれません。
でも忘れないでくださいね。
基礎は大事です。自分には出来ると思っていた基礎練をもう一度やり直してみるのも良いですよ。その方が結果的に早く上達できます。
☆私が最後にお伝えしたいこと
私は一歩先を目指す練習はあまりしません。あまりと書いたのは、やっぱり一歩先に行きたくなるからたまにやってしまうのです。
お客さんに対しても同じです。一歩先を目指す練習はあまりしません。あまりと書いたのは、まずやらなければいけない横移動(修正する練習)より縦移動の方が楽しいからです。一歩だけ先を目指す練習の方が楽しいことが多いんですね。だから確認として一気にゴールを目指す時間も作ってます。でも練習時間が長いのは横移動の時間です。