スキーの科学 コブ・新雪・ポール攻略編 (洋泉社MOOK SPORTS SCIENCE)という本です。
2016年12月に発売されました。
監修は
北見工業大学の教授でありレクザムやステルステックの開発に携わった鈴木聡一郎さん
F-Style代表の角皆優人さん
SIAのスクールのSki-est代表の佐藤紀隆さん
本のタイトルに科学と書いてあるからいろいろな実験をしたのでしょう。
いろんなデータやグラフ・図が出てきます。
例えばこんなグラフ
むずかしいーーー。
文章自体は簡単に書いていて、一見わかりやすいように見えますが、読んでみると意外と苦戦するところがあります。
正直に思ったのは、この本は誰に向けて書いた本なのかがちょっと疑問です。
科学というだけあって、初級者・中級者が理論的なことは本を買ってまで知りたいとは思わないだろう。。。
そしたらやっぱ上級者向けだな。
でも一般上級者はこんな本読むかな?
理論派のマニアックな人とか、スクールで働いている人とか、そんな人向けかもしれない。
だとしたらこの表紙は合わないような・・・・。
中身は完全に上級者向けです。
っていうかある程度理論がわかっている人じゃないと理解できない部分が多いです。
そしてこれを読んだからすぐに上手くなれるって本ではないです。
上手くなる練習法はあまり書いてないです。
あくまでも理論を知るっていうのがこの本の目的のようです。
それで、私が思うに「理論」って後付けでいいと思うんですよね。
”たくさん滑って、いろんな滑り方して、この滑りが上手くいった。あの時になぜか上手く滑れた。
後で知ったけど、上手く滑れた理由はこうだった。”
こんな感じです。
理論を最初から求める必要なないです。
理論を知っていたからってすぐには上手くなれないです。
スポーツってそんな簡単じゃないです。
そして、スポーツに限らずあらゆることって理論通りいかないこともあるのです。
でも本を書く立場の人は理論通りにしたいのです。
理論と現実が一致しないのです。
こうなると、、、、理論を無理やり現実に一致させる、または現実を理論に無理やり一致させる。
っていうねつ造してしまうのです。(することがあるかもしれないのです。)
理論と現実は完全に一致することって少ないと思うのです。
だからこういう本って作るの難しいんじゃないかな?って思います。
別に出版することを否定しているわけではないですし、批判するつもりも一切ありません。
もちろん参考になった部分もあります。(逆にえっ、本当か?って思った部分もあります。)
私が面白いと思ったのは、
・パート2アルペンスキーを科学する
・パート4マテリアルを科学する
です。
ストレッチングとベンディングについて、日本人に合ったブーツについて・・・・。
マニアには興味深い内容も多いです。
これからスキーを真剣にやりたい、スキーの先生になりたい、とにかく理論が知りたいって人にはお勧めの本です。
ただ単に上手くなりたい、スキーは楽しめればいい、って人向けではないです。
続編というのか、2017年にも似たような本が発売されました↓
SAJナショナルデモの丸山貴雄さんのインタビューもあります。
中身はSIAの先生たちが出ているものです。
この本も上の本と同じく、理論マニアとかスキー教師向きの本です。